先代経営者(贈与者)が非上場株式等を後継者に贈与した年に死亡してしまった場合の納税猶予の手続は、贈与者の相続のときに、非上場株式以外の財産を相続したのかしなかったのかにより、相続税の納税猶予か贈与税の納税猶予かの相違があります。
相続税の納税の猶予が適用されるケースは、以下の場合です。
特例経営承継受贈者又は特例経営承継受贈者に係る特例贈与者が贈与の年に相続が開始した場合、相続等により株式以外の財産と贈与により取得した株式等は、相続税法19条、21条の15(相続時精算課税の場合)により、相続又は遺贈により取得したものとみなされ、贈与により取得した非上場株式を相続税の申告として行います。その非上場株式等は、相続税の納税猶予を受けることになりますが、その年分の贈与の時点において、相続税の納税猶予の適用の可否を判定することになります。
贈与税の納税猶予が適用されるケースは、以下のケースです。
贈与者の相続等により、株式(贈与による取得)以外の財産を相続していない者(非上場株式等の受贈者)は、相続税法19条の相続財産への加算の規定が適用されないため、贈与税の納税猶予を受けることになり、通常の贈与税の納税猶予手続になります。
なお、いずれのケースも納税猶予の要件に該当していることが前提です。
1.相続開始日と贈与認定申請基準日との関係 その1
特例贈与者の非上場株式等 贈与年月日 2019/1/10
特例贈与者の相続開始年月日 2019/9/25
贈与認定申請基準日* 2020/2/25
*相続開始日の翌日から5月を経過する日が基準日。
2.相続開始日と贈与認定申請基準日との関係 その2
特例贈与者の非上場株式等 贈与年月日 2019/1/10
特例贈与者相続開始年月日 2019/1/25
贈与認定申請基準日* 2019/10/15
*相続開始日の翌日から5月を経過する日が、贈与の申請基準日の10月15日以前に該当する場合には、本来の贈与認定申請基準日の10月15日となります。