賃貸物件の建物名義をどのようにするかにより、相続税の土地評価額や所得の帰属先の違いにより相続対策の効果が異なります。賃貸物件の建築を検討する場合には、個人名義または法人名義での税制上の効果を検討した上で判断することが大切です。
1.貸家建付地 土地所有名義と建物所有名義は同じ。
相続財産の評価:土地=貸家建付地評価
建物=貸家評価
2.使用貸借 土地所有名義と建物所有名義(親族)は異なる。
相続財産の評価:土地=更地評価
建物は相続対象外。賃貸収益は建物名義人(親族)に帰属するため相続財産とはならない。
3.賃貸借 土地所有名義と建物名義は異なり、親族オーナーの同族会社の所有名義
相続財産評価:「無償返還届」の提出がある場合には、土地の評価額の20%の評価減があります。なお、「無償返還届」の提出がないケースの場合には、贈与税の問題が発生するので、税理士に事前相談が必要です。また、同族会社の株式を被相続人が所有していると、その株式の相続税評価を通して相続税が課税されますので、同族会社のオーナーを誰にするかが重要となります。