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KASUYAの税ブログ

相続税・贈与税

民法上の相続人と相続税法上の相続人

1.胎児 民法:胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない(民886)。   民法では、相続開始の時において、懐妊されている場合には、まだ出生していない者についても相続権を与える。   相続税法:胎児が生まれる前における共同相続人の相続分は、相続人のうちに民法886条の規定により既に生まれたものとみなされる胎児がある場合で、相続税の申告書提出の時において、まだ胎児が生まれていないときは、その胎児がいないものとした場合における各相続人の相続分によって課税価格を計算する(相基通11の2-3)。 その後、胎児が生まれた場合には、相続税法32条1項2号「その他の事由により相続人に異動が生じたこと。」を事由として、それを知った日の翌日から4ヶ月以内に限り、被相続人の納税地の所轄税務署長に対し、更正の請求をすることができる。     2.相続の放棄 民法:相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす(民939)。   相続税法:相続人の意義について、相続放棄をした者を含まない相続人と相続放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人とする条文があります。 そのため、注意して、相続税法の規定を解釈しなければなりません。   A.相続放棄をした者を含まない相続人   相続放棄をした者を含まない相続人を相続人の意義として適用される条文は、次のものです。   ① 相続税法3条(相続又は遺贈により取得したものとみなす場合)の相続又は遺贈により取得したものとみなす場合の「相続人」 「その者が相続人(相続を放棄した者及び相続権を失った者を含まない。)であるときは当該財産を相続で取得したものとみなし、その者が相続人以外の者であるときは当該財産を遺贈により取得したものとみなす。」   ➁ 相続税法12条(相続税の非課税財産)の12項5号、6号の「相続人」のみが取得した保険金、退職金は非課税財産としてとりあつかわれる。そのため、相続放棄をした又は相続権を失った者が取得した保険金、退職金は、非課税金額の適用がされません(相基通12-8、12-10)。   ③ 相続税法第13条(債務控除)1項にいう「相続又は遺贈(包括遺贈及び被相続人からの相続人に対する遺贈に限る。)により財産を取得した者」の条文中の相続人   ④ 相続税法20条(相次相続控除)第1項の「相続(被相続人からの相続人に対する遺贈を含む)」及び第1項第1号「第二次相続に係る被相続人から相続又は遺贈(被相続人からの相続人に対する遺贈を除く)」の各条文中の相続人   ➄ 相続税法第26条「相続又は遺贈(包括遺贈及び被相続人からの相続人に対する遺贈に限る。)」の条文中の相続人     B.相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人   相続放棄をした者を含む相続人を相続人の意義として適用される条文は、次のものです。   ① 相続税法第12条(相続税の非課税財産)1項5号(保険金)、6号(退職手当等)にいう「被相続人の第15条(遺産に係る基礎控除)第2項に規定する相続人の数」の条文中の相続人   ➁ 相続税法第15条(遺産に係る基礎控除)にいう「当該被相続人の相続人の数」の条文中の相続人   ③ 相続税法第16条(相続税の総額)にいう「当該被相続人の前条第2項に規定する相続人が民法第900条(法定相続分)及び第901条(代襲相続人の相続分)」の条文中の相続人   ➃ 相続税法第19条の2(配偶者に対する相続税額の軽減)にいう「被相続人の相続人」の条文中の相続人   ⑤ 相続税法第19条の3(未成年者控除)にいう「当該相続又は遺贈に係る被相続人の民法第5編第2章(相続人)の規定による相続人」の条文中の相続人   ⑥ 相続税法第19条の4(障害者控除)にいう「当該相続又は遺贈に係る被相続人の前条第1項に規定する相続人」の条文中の相続人   3.養子   民法:養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる(民727)。 被相続人の子は、相続人となる(民887)。 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。代襲者が、相続開始以前に死亡し、又は891条(相続人の欠格事由)の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。     相続税法:遺産に係る基礎控除で乗ずる相続人の数について、被相続人に養子がある場合の相続人の数に算入する養子の数は、次の区分に応じた数に限る(相税法15条2項)。 1 当該被相続人に実子がある場合又は被相続人に実子がなく、養子の数が1人である場合  1人 2 当該被相続人に実子がなく、養子の数が2人以上である場合 2人   代襲相続人が被相続人の養子である場合の相続人の数は、代襲相続人としての相続分と養子としての相続分との双方を有する(相基通15-4)。  

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