(吉野画伯 提供)
6.遺留分侵害額の請求
遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継しまたは相続分の指定を受けた相続人を含む)または受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することが出来ます(民1046)。
7.遺留分侵害額請求の期間の制限
遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効により消滅します(民1048)。相続開始の時から10年を経過したときも時効として消滅します。
8.債権の譲渡性
遺留分侵害額の請求権は債権に該当するため、その債権は、譲り渡すことができ、当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられないとされています(民466条)。
そのため、債権の譲受人が相続人でない場合であっても、受遺者又は受贈者に対して、譲り受けた遺留分侵害請求権を請求できることになり、相続という親族間の財産帰属の問題に親族以外の第三者が加わることになります。