相続時精算課税を利用して、収益物件を贈与することのメリットは、収益物件の賃貸収入等が将来に亘って相続財産が増加すると見込まれる場合に、子供等の相続人に収益物件の建物のみを贈与することで、相続財産の増加を抑制することができます。
1.相続時精算課税制度とは
特定の贈与者からの贈与財産に対して贈与時に贈与税を支払い(基礎控除110万円(毎年)、特別控除2500万円、超過部分:税率20%)、その後の特定贈与者の相続時に、その贈与財産と相続財産との合計した価額を基に計算した相続税額から、既に支払った贈与税を控除して精算することにより、贈与税・相続税を一本化して納税出来る制度です。
2.相続時精算課税を選択したことによる留意点
① 贈与した建物の敷地である土地の相続については、相続時に相続税精算課税を適用した子が相続出来るように遺言書を作成することを検討しましょう。
② 一度、相続時精算課税を選択すると暦年贈与は選択出来なくなります。