1. 概況調査として
相続税の実地調査では、納税者宅を訪問したときに、概況情報を収集します。これは、概況調査といわれ、次のようなことを状況把握します。
a. 建物の増改築、付属設備、庭園設備等の状況を把握する。
b. 趣味、娯楽、書画骨董、調度品等を把握する。
c. カレンダー、各種案内状等の会社名等を把握する。
2. 聴き取り調査
ここからは、相続人に質問する場面で、納税者本人は、何が聞かれたかはわかるところですが、何を聞かれるのかをおおよそ知っていれば、安心して、税務調査に、臨めましょう。
a. 被相続人の経歴等
先代からの相続状況、出身地への接触状況、住所の移転状況、職歴等についてです。
先代からの相続状況が聞かれる理由は、相続された財産が、今回の相続税申告にどの程度反映しているのかを確認するためのものです。また、出身地や住所移動の状況を確認するのは、出身地等の金融機関等に未申告の金融資産等が存在する可能性を把握するためのものです。
b.相続人の趣味嗜好等
書画、骨董、貴金属、ゴルフ、性格、交友関係などについてです。
被相続人の普段の生活におけるお金の使い道を確認するものです。よく、被相続人は無趣味で家にいましたと、質素ぶりを強調する場合があります。所得に比べて、預金が少ない場合、前述の回答では、本人がお金を使用したのではなく、相続人のうち、誰かが使用したのか、お金を贈与したのかを確認をされます。これらの質問の趣旨は、被相続人の財産の使い道を明らかにするために、聞かれます。
c.病歴及び死亡当時の状況
財産管理者の特定、事業等への関与の程度、遺言書の有無。
病歴等の質問は、預貯金の管理が、いつごろから被相続人に代わって、
相続人に変更されたのかを確認するものです。前述したように、金融資産等の
移動状況は、準備調査段階で調べていますので、いつごろから変更されたのかを
おおよそ見当をつけておりますので、ご承知おきください。
遺言書を作成する場合には、通常、被相続人の遺言作成時点の財産調査が行
われております。遺言書作成時点の財産が、相続税申告時点の申告財産にどう
反映しているのかを確認します。