税務調査の最大の山場が臨宅調査です。調査官が納税者への質問検査権を行使して、税務調査を進めますが、そのときいろいろな質問がされます。調査官が納税者に質問する内容の意図や目的がどこにあるのかを説明致します。
1.被相続人の死因や入院の経緯や介護の経緯について質問があります。
このような質問の意図は、被相続人がいつ頃まで、自分の意思で預貯金の管理が出来ていたかを把握するためのものです。実際の預貯金の出し入れは、だれが、いつ頃から、被相続人に代わり行っていたのかを確認するための質問です。
2.相続人や孫の勤務先や学歴などの質問があります。
家族名義である預貯金の残高が、果たして、相続人や孫の稼得された収入から貯金されたものなのか、被相続人が相続人や孫の名義を借用して預貯金を形成していたものなのかを確認するものです。また、高額な学費の支出の状況を確認するものです。
特に、孫が学生等で、小遣いやアルバイト料で貯めた預貯金なのか被相続人が贈与した資金で蓄えたものなのか、被相続人が相続人の名義を借用して預貯金を形成していたのかを判定致します。
また、専業主婦である配偶者には、稼得収入が一般的にないので、配偶者独自による所得からの預貯金の貯蓄形成は困難ですので、配偶者名義の預貯金残高が形成されている場合には、その形成過程について調査があります。結婚する以前の職業や勤務の期間、実家からの相続があれば取得相続財産の状況等が質問されます。
この相続人等の名義預金に関連して、相続人関係図や電話番号、住所を税務署の用紙に記載を依頼する調査官がおります。これは、筆跡を確認するためで、預貯金の作成時の筆跡や引出票の筆跡を確認し、誰が、実際に、行った人物かを特定するためのものです。