前回に引き続き、調査官が一般的に行う質問を紹介します。
1. 生活費の額や誰が管理していたのかの質問があります。
この質問の意図は、生活費を管理していた配偶者が生活費の余りを、すなわち、へそくりとして、配偶者の預金としてためているのかどうかを確認するものです。その生活費の余剰額は、被相続人の財産を善良なる管理者として預かった預り金に相当します。なお、その余剰額を被相続人が配偶者から贈与されていたとの主張することも出来ますが、それが贈与されていたどうかの事実認定があるものと考えられますので、普段から、贈与が成立していることを証する準備を整えておくことが大切です。
2. 被相続人の趣味を聞かれることがあります。
被相続人が預貯金を少し多額に引き出している理由を探るため、書画・骨董の収集の趣味や海外旅行の趣味とかお金を使う趣味(お酒を外で飲む等の嗜好も含む。)を持っていたかどうかを確認するためのものです。お酒を外で飲む習慣があっても、相続人は、「主人は無趣味な人ですから」とか、謙遜ないし謙虚に、回答するケースがよくあります。調査官は、預金の引き出しについて、本人が使用したのか、配偶者や家族に贈与等したものなのか判定するために、後ほどの預貯金の引き出しの理由を解明するのに、本人使用をはじめに消して置くことで、配偶者等の贈与に結びつける端緒にするための質問です。
3. 香典帳を見たいといわれるケースがたまにあります。
最近は、家族葬が流行りですが、この質問は、申告されていない金融関係者等を確認するものです。葬儀等に香典を持ってくる金融機関は、一般的に、預貯金や証券の取引があるのが普通ですので、相続税申告書に計上されているのが普通です。申告書にない金融機関があれば、その取引の有無が確認されます。