1. 被相続人と相続人の預貯金の口座の印鑑の印影を要求いたします。
通常、調査官は、被相続人と相続人の銀行取引印を借用して、白紙に朱肉を付けずに空印を押印し、その隣に朱肉を付けて2回押印します。印影の濃さの比較をすることで、最近の使用頻度を印影で確認します。空印の印影と朱肉を付けた2回目の印影を比較して、その印影を確認いたします。
2. 葬式費用の出所を聞かれる場合があります。
葬儀は、被相続人の死亡後の被相続人のための支出で、被相続人の預貯金から引き出せなくなるのが一般的です。葬儀費用の出所が被相続人の預貯金でないと、被相続人の手許現金の可能性が高いので、葬儀費用に見合う手許現金残高の申告がされているかの確認をするものです。
3. 被相続人の手帳やデスクを見たいといわれることがあります。最近では、パソコンの「お気に入り」メニューの内容を要求するケースもあります。
これらの情報収集は、査察調査の“がさ入れ”や刑事事件の捜索に近いので、納税者の様子を見ながら、実施されます。この目的は、金融機関のメモや手控えを探したり、カードがあれば、どこの金融機関を利用しているのか調べることができます。また、手帳やノート等で株式や有価証券の取引記録のメモを書く方もおりますので、要求されることがあります。また、被相続人の筆跡を手帳で確認できますので、預貯金の引き出し時の筆跡との比較ができます。
また、パソコンは、インターネットバンキングや証券会社の把握のためです。
4. 他に取引のある金融機関はありませんか。あるいは、申告漏れした財産は有りませんか。このような質問がされることがあります。
2つのケースが考えられます。
明らかに把握している預金口座があるがある場合に、納税者が虚偽答弁をしているのか知らない口座なのかを把握するため、試し質問がされます。あるいは、わかっているふりをしてのハッタリ質問があります。納税者には、どちらのタイプの質問をしているのか不明のケースがあります。