子供等が①結婚の予定がある、②出産予定、③子育て中に該当する場合には、その資金として贈与する金額について、その非課税限度額までは贈与税が課税されません。結婚・子育て資金の贈与をすることで、親や祖父母の相続財産の圧縮につながることになります。
1.結婚・子育て資金の一括贈与とは
祖父母や両親が18歳以上50歳未満の子供や孫(ひ孫)に、結婚・子育て資金に充てる金銭を1000万円の範囲まで、非課税として贈与できる制度です。なお、結婚資金の限度額は300万円です。贈与契約の日の属する年の前年の受贈者の合計所得が1000万円を超える場合には、この非課税制度の適用を受けることが出来ません。
2.結婚・子育て資金の範囲
(1) 結婚に際して支払う次のような金銭(300万円を限度)
① 挙式費用、衣装代等の婚礼(結婚披露)費用(婚姻の日の1年前の日以後に支払われるもの)
② 家賃、敷金等の新居費用、転居費用(一定の期間内に支払われるもの)
(2) 妊娠、出産及び育児に要する次のような金銭
① 不妊治療費・妊婦健診に要する費用
② 分娩費等・産後ケアに要する費用
③ 子の医療費、幼稚園・保育所等の保育料(ベビーシッター代を含む)など
3.課税関係
① 結婚・子育て資金贈与の専用口座を金融機関で開設します。
② 結婚・子育ての贈与資金を使い切るまでに贈与者が亡くなってしまった場合には、亡くなった時点の残高が相続財産に加算されます。
③ 受贈者が孫・ひ孫の場合、相続税額は2割加算となります。
④ この非課税制度の適用期限は2025年3月31日までです。
⑤ この非課税制度を利用する場合には、贈与した年の翌年3月15日までに、結婚・子育て資金としての贈与税申告をすることが要件となります。