4.「民法特例の計算」シートの説明 その1
Ⅳ. 遺留分に関する民法特例の計算
事業承継税制を適用するにあたり、次の民法特例の規定に基づき、その遺留分対策ができます。
A.事業承継における民法特例を利用することによる対策
事業承継における民法特例の制度は、事業承継のために、特例中小会社の株式等を後継者へ株式贈与することにより、先代経営者の相続で、後継者以外の相続人の遺留分を侵害する可能性があるため、経営承継円滑化及び同施行規則により、事業承継の遺留分対策の制度として創設されました。
事業承継の民法特例制度が適用できる会社は、事業承継税制度が適用できる会社であることが条件です。
(1)民法特例による対策とは
除外合意(①)と固定合意(②)の双方またはいずれか一方の合意を行う必要があります。これらの合意をした場合には、それらと併せて付随合意(③)を結ぶことができます。これらの合意は、その全員の合意でもって、書面によることを要します。
① 除外合意とは
当該会社の事業後継者が当該旧代表者からの贈与又は当該株式等受贈者からの相続により取得した当該特例中小会社の株式等の全部又は一部について、その価額を遺留分算定のための財産の価額に算入しないこと(円滑化法4条1項1号)。