2018年6月27日
相続税・贈与税
Q.妻が親の相続で3千万円を取得し相続税を300万円支払っています。この度、私の父からの相続で3千万円を取得しましたが、相続税が400万円といわれています。なぜ、違いがあるのですか。
所得税では、納税者が異なっても同一の課税所得であれば、税負担は同一です。
しかし、相続税は違います。その違いが生まれるのは、相続税の課税方式に
由来しています。
わが国の相続税の課税方式は、“遺産取得税方式”といって、被相続人の遺産額から
基礎控除を控除した課税遺産額を各相続人が法定相続分で取得したものとして、
その各人の課税額に超過累進税率を適用し、各人の算出税額を合算した相続税の
総額を算出します。
その相続税の総額を相続人が実際に遺産を相続した遺産の取得割合で負担額を
計算します。そのため、被相続人の財産の大小と法定相続人の人数により
相続税額の大小が決まります。
相続した財産が本人と妻と同じ3000万円としても、その負担する相続税は、
同じではなく、被相続人の遺産額が大きいとその負担額が大きくなります。
わが国の相続税の課税方式は被相続人の遺産額に対する遺産税としての考え方を
加味して構成されています。
税理士 粕谷幸男